修了者の声

上原 芳久さん
(2010年3月修了)

会社の変革に合わせて、自らも変わる

なぜHMBAへの進学を決めたのでしょうか

私は、東日本地域の高速道路の建設・管理を行う企業に勤務しています。私の会社は民営化に伴い、特殊法人から株式会社として自ら稼ぐ自立していくことになりました。その流れで、公共性の高い高速道路の建設・管理運営の事業と、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)などの事業が、新しい会社における収益の柱とされました。

そのような状況で、私は収益事業に配属になり、子会社の設立や、SAやPAの商業施設の新設・改築といった、民営化前にはなかった分野を経験することになりました。そこで、「真の民間企業とはどういうものか」とか、「稼ぐとはどういうことか」といったことについて、ゼロから体系的に学びたいと思いました。私は、もともと理系出身の技術職だったので、経営や経済に関する専門的知識がないと感じており、新たな業務を手がけていった際に、ビジネスの基本的な考え方を身につけたいと思いました。それが、HMBAに進学した理由の1つです。

他にも2つほど、HMBAへの進学を決めた理由はあります。その1つは、鉄道会社をはじめとする交通インフラ系の会社で高い収益性をあげている企業を、本格的に調査・分析したかったということです。大企業やインフラ企業において、安定と成長の両立はどのようにして実現できるのか、またお客さまや社会的に認められる企業にはどうしたらなれるのかについて、事実関係に基づいて、きちんと考えてみたいと思っていました。

もう1つは、それまでに積み重ねてきた自分の経験を振り返ることで、自らの視野を広げたいとも思っていたということです。私は入学時点で社会人としての経験を10年程度積んでいましたが、自分の考え方と社会とのズレを認識し、偏った人間になりつつあるものを修正するよい機会ととらえたのです。

HMBA在学中はどのように毎日を過ごしていましたか

私の自宅は横浜にあり、国立まで2時間半ぐらいかけて、通学していました。このように、大学の近所に下宿していた同級生とは違って、毎日多くの時間を通学に割いていたことに加えて、家族もいるということもあり、時間管理にはとても苦労しました。

そのような状況で、「経営という、ある意味では答えのない課題を、どれだけ深く考えらえるか」という課題に対して、限られた時間内でグループワークを進めて、情報を収集して、アウトプットをしていくプロセスは、本当に大変でした。授業がある期間中は、課題に追われるような感じで、毎日を過ごしていました。

その一方で、HMBAで過ごした日々は、自分に対する限界も自分で設定できるという自由度がありますが、優秀な先生や仲間にも恵まれ、自らの学習の未熟さも、思考の浅さも気づかされることも多く、とても刺激になりました。

このように、授業期間中は忙しく過ごしていましたが、夏休みなどの長期休暇時は、普段の授業でできなかった家族との時間を大切にしたり、じっくり読書をしたりすることにして、メリハリをつけて過ごすように、心がけていました。また、海外研修に参加したり、2年目のワークショップで合宿に行くといった講義外での経験も、非常に有意義でした。

HMBAで学んできたことは、現在のお仕事に
どのように活かされていますか

私は、HMBA修了後に勤務先の企業に戻りました。今から振り返って、HMBAで学んだことで重要だったと思うのは、単なる理論の習得だけではなく、深い思考をどれだけできるかという頭の使い方を身につけたり、それが重要だということを心の底から理解したことです。

HMBAを修了してからは、目に見える現象の本質とは何かといった点を、日頃から意識して考えるようになりました。大量に飛び交う情報に流されることなく、その背後にある論理などを考えるように努めるようになったことは、以前と大きく異なる点だと思います。

また、経営・経済の視点から、自分が勤務する会社や他社の動向を考察して、幅広い視点からアプローチをするようにもなりました。先程申し上げたように、私は理系出身ですので、このような点でも入学前との違いを感じています。

実務でも、業務を進めていく上での課題解決方法として、関係者を動かすためのアプローチにも経営戦略や組織論、マーケティングなどの知識は関係者を動かしたりする上で、大いに役立っています。

(2015年2月24日)