修了者の声

秋元 潤さん
(2009年3月修了)

人事領域の課題に経営視点を活かす

なぜHMBAへの進学を決めたのでしょうか

私は大学を卒業後、大手総合重工メーカーに勤務し、主に事業所や本社、子会社の人事部門を20年ほど経験してきました。HMBAコースに進学したいと思った直接的な動機は、 M&Aした子会社への出向時に人事領域以外の分野に関心が広がったためです。子会社の人事は経営陣と距離が近く、人事領域の課題を経営の視点から考える機会を与えられました。そのときに戦略や財務など経営に関する基礎知識が必要だと思うようになりました。

HMBA在学中はどのように毎日を過ごしていましたか

入学前に、すでに当社より企業派遣された社員から情報を得ていたので、勉強できることがとても楽しみでした。彼らから「ほとんど寝る暇」がないと事前に聞いていましたが、特に1年の夏学期は文字通り寝る暇がありませんでした。HMBAには、様々な年代、企業派遣もいれば新卒もいて、さらに留学生もいて、とても新鮮でした。入学した時には40歳手前でクラスの中ではかなり年寄りの部類だったので一緒にやっていけるか心配でしたが、結果としては今もお付き合いできる幅広い年代の友人を作ることができました。

特に記憶に残っている講義は、1年夏学期の古典講読、経営戦略、2年夏学期の理論構築の方法です。古典講読は、文章のまとめ方・書き方を改めて学ぶ機会となりました。この年齢になって論旨を適切に表現することの難しさ・大切さを思い知りました。経営戦略の講義は、MBAに入学したことを実感させるものでレポートの事前提出とクラスディスカッションで戦略とは何かを学ぶことができました。2年次の理論構築の方法は、ワークショップレポートを書くうえで参考になっただけでなく、その後物事を説明したり、相手を説得したりする場面で役に立っています。

2年次には、組織・人事に関するワークショップに入りました。HMBAでの勉強を通じて戦略と人事の両面に関心を持つようになったので戦略寄りのテーマを研究しました。先生からは毎週アドバイスをいただき、視野狭窄に陥らずに最後までレポートを書き上げることができました。また、ワークショップのメンバーとの意見交換からも大いに刺激を受けました。担当された先生には、その後も仕事の面でのアドバイスをいただくなど、卒業後もお世話になっています。

HMBAで学んできたことは、現在のお仕事に
どのように活かされていますか

HMBA修了後、勤務先での復帰部門は、経営企画部でした。経営企画部では中期経営計画を担当したため、HMBAで学んだ多くのことを実務に生かすことができました。

HHMBAに掲げられている「理論と実践の往復運動」という言葉は、入学以来、何度となく先生方から言われたことです。その真意を理解できたのは職場に戻ってからでした。日々変化する現場の状況を理解するのに理論はフレームワークを与えてくれます。ただし、具体的な答えまでは与えてくれません。起きている(起きようとしている)事象のメカニズムを考え、ありたい姿に近づけるために様々な手を打っていく。それはまさに往復運動です。そうはいってもふと気が付くと往復運動を忘れている自分がいます。まだまだ活かしきれていません。

現在は、人事部に異動し、人材開発を経て、評価・昇進・異動を担当していますが、人材開発の一つには、将来の経営幹部育成プログラムもあり、HMBAで学んだことはカリキュラム設計の上で役に立っています。

米国での人事担当者会議 :
中央で立っているのが筆者

在学生・受講を志す方へのメッセージ

HMBAで過ごす2年間は、人生でもっとも脳みそを使う時間です。ほとんど寝られない日々も卒業してみると懐かしく思い出されます。自分が学びたいことを学べたかどうかは他人からはわかりません。なので、ある程度で勉強を切り上げることも可能です。ただ、それは自分自身のためになりません。とことん考える、徹底的に議論する、ぎりぎりまでレポートを書きなおす。2年間必死になって学んでください。 それから勉強できる環境におかせてくれている周りの方への感謝を忘れずに。

卒業式の日に図書館で息子と

(2016年11月4日)