商学部からMBAへ5年一貫プログラムで人事を研究
私は、商学部からの学部・修士5年一貫教育プログラム生として経営分析プログラムを受講し、今年の3月に修了しました。もともとは、グローバル・リーダー育成のための渋沢スカラープログラム(SSP)に属していて海外留学をする予定でしたが、コロナ禍によりかなわず、そのまま卒業するのではなくMBAを取得しようと進路を変えました。というのも、以前から人事関係の研究を深めたいと思っていたからです。人事への関心は、商学部1年の時にヤマト運輸株式会社の創業者に関する本を読み、人事システムを少し変えるだけでも会社が大きく成長するということを学んだところから始まりました。
ただ人事といっても、その中で多様なテーマがあります。私は、学部からMBAまで一貫して軽部大教授(経営管理研究科)に指導を仰ぎ、学部時代にはフレックスタイム制度や在宅勤務制度といった勤務柔軟化のための諸制度の導入要因について研究を行いました。MBAでも引き続き人事関連のテーマを扱いたいと思い、福利厚生のあり方や外資企業と国内企業との働き方の違いなど、さまざまな観点で研究テーマを考え、最終的には、求人の応募要件からみた企業研究を行いました。例えば「未経験者歓迎」として一切の条件がない場合や、細かく応募要件を課す場合の企業や職種の状況を統計的に分析しました。
一橋MBAでの学びは多くありました。少人数ワークショップで研究テーマを選ぶにあたっては大いに悩み、商学部時代に勉強したデータ分析を用いて有意な研究成果が出せるか、粘り強く熟考を重ねました。その過程で諦めない心が養われたと感じています。これが一つ目の学びです。二つ目は、多様な人々との出会いです。経営分析プログラムには社会人経験者や留学生などが多く、自分とは異なる経験や価値観を持つ仲間たちとの議論は、ある意味カルチャーショックでした。三つ目の学びは、文章力です。演習では、「読む・書く・考える」のプロセスを繰り返すことが求められました。そこでは、これほどまでに日本語を直されるのかと気落ちすることもありましたが、今では鍛えていただいたことに感謝しています。また「Professional Communication」(Gavin O’Neill先生)の授業では、ビジネスシーンでの生きた英語を学ぶことができました。
授業を受ける佐々さん(左側)
今は就職を前に、コロナ禍で行けなかった海外へあちらこちら旅行をしています。最近はシンガポールとバリ、台湾を訪れました。4月からは、外資系の企業において人事担当としてのキャリアをスタートさせます。いわゆるジョブ型雇用での採用なので、その期待に応えられるよう頑張りたいと思います。配属されるポジションは、一つの大きな事業部の人事面でのビジネスパートナーという役割で、人材育成も採用もトータルで考える必要があります。そうした経験を積んでいく中で、将来は人的組織の面から会社を成長させる人事のプロを目指していきたいと思っています。
(2023年3月)