受講生の声

児山 紗也さん
(2015年度入学)

日本経済の活性化に貢献する人材

なぜHMBAに進学されたのでしょうか

私は大学卒業後に金融機関に就職し、3年間営業部門で働いてきました。現場での経験は、判断力や状況を読む力などを身につけることはできましたが、今後の自分のキャリアを考えたときに、大きな視野を持ってビジネスを俯瞰するには圧倒的に知識が足りないということを感じていました。また、経営に関する知識をつけ、ビジネスの最先端の動きを知ることで、自らのビジネスへの感度を高めたいとも考えていました。

HMBAでは、経営戦略論・ファイナンス・財務・人事をはじめとして多岐に渡るカリキュラムが充実しています。特に、HMBAでは理論を修得することに重点が置かれているのが特徴です。MBAにおける学習は、ケーススタディなどの事例分析が多く取り上げられる場合もありますが、その背後にある理論、更に理論が生まれた背景などを学ぶことで、付け焼刃でない知識を身につけ、深い思考力を養うことができます。それぞれの授業では、理論だけでなく、学んだ理論を実際のビジネスへの応用をする多くの機会も設けられています。

また、HMBAは社会人経験者だけでなく、様々な大学から進学してきた新卒の学生や留学生が多いことも魅力の一つです。年齢・性別・国籍を問わず様々なバックグランドを持つ学生と活発に議論を行うことで、多様な視点を養成することができると考えました。

入学後はどのようなことを学んできましたか

1年次は、経営戦略論、経営組織論、ファイナンス、国際金融、統計学、コーポレート・ガバナンス、ミクロ経済など網羅的にMBAの基礎科目を学んできました。

中でも、1年次の前期に設けられている経営戦略論の授業は、多くの学生が受講し、比重の大きい授業となっています。 まず、マイケル・ポーターのファイブフォース分析をはじめとする様々な経営戦略の理論を学びました。授業は基礎的な理論の講義から始まるため、私のような初習者にとっても分かりやすく、またケーススタディや受講者との議論を織り交ぜながら進む授業は、既習者にとっても、理論が現代の文脈の中でどう捉えられているのかを再学習する機会となります。 更に応用として、学んだ理論を適用して実際の企業戦略の分析を行う課題や将来の企業の戦略を立案する課題などが与えられました。このプロセスにより、基礎知識の修得は勿論、分析力や思考力を養うことが可能となっています。

また、グループを組んで行われる企業の戦略立案の課題は、とりわけ学生が時間をかけて行われる課題で、納得のいくまで議論し、意見を集約させます。意見がまとまらず、議論が長く続くときもありますが、こうして年齢や国籍の異なる学生と対等に意見を言い合えることは貴重な経験となっています。グループによる課題を通じて、実際のビジネスの場でも十分応用可能な発言力や調整力を培うことができたと考えています。

HMBAのプログラムを通じて、自分がどのように変わったと思いますか

一番の変化は、論理的な思考力を身につけることができたことです。

HMBAでは、文章を書く機会やプレゼンテーションをする機会が非常に多く与えられています。また、こうしてアウトプットしたものは、一つ一つ先生方による丁寧なフィードバックがあります。論理展開に整合性があるか、文章やプレゼンテーションの構成は読み手・聞き手に伝わりやすいものか、正しい日本語を使っているか、等の細かい指導を受けます。仕事をしているときは、つい“なんとなく”形になっているもので済ませていましたが、先生方のご指導のお陰で、一つ一つ論理的に組み立てる作業をしながら思考するクセをつけることができました。

更に、HMBAで学んだことで、自らの視野や関心を広げ、より広い視点でビジネスを捉えることができるようになったことも変化の一つです。

例えば、企業金融論という授業では、近年話題となっているコーポレート・ガバナンスについて体系的に学ぶことができました。金融機関に勤める者として考えるべき大きな課題である「金融機関がスチュワードシップ責任をいかに果たしていくべきか」という問いについて思考するきっかけを与えてくれた授業でした。 また、様々な企業の事例研究を通じて、海外企業も含んだ他社の最先端のマネジメントを学んだことにより、自分の所属する業界や会社を相対化することができるようになりました。加えて、グローバルビジネスにおける日本企業・日本経済の相対的なプレゼンスへの理解も深めることができました。

現時点でどのようなキャリアプランを描いていますか

日本は少子高齢化など市場環境が大きく変化し、日本企業は世界的な競争力をあげるため、ガバナンス改革や女性の更なる社会進出など、大きな変革の時を迎えています。金融機関・機関投資家としての立場から、こういった日本企業のバックアップに携わりたいと考えています。今後、各金融機関・投資家はモニタリングの役割を棲み分けて、企業と金融取引を行っていく必要があり、そのためには金融機関の戦略や組織の変革が不可欠です。HMBAで培った思考力を活かして、このような新たな改革に携わり、日本経済の活性化に貢献をしたいと考えています。

(2016年2月25日)