在学生の声

猿樂 知史さん

猿樂 知史さん
(2023年度入学)

自身を高め、社会の役に立つということを目標に

本学経済学部 岡室博之ゼミで学ぶ

img_detail25_01.jpg

学部での卒業論文は、「災害により起業は増加するか:東日本大震災を例に」というテーマで、災害と開業の関係を分析した定量的研究をしました。第18回『企業家研究フォーラム』年次大会では、自由論題報告ということで卒論を発展させた「災害は開業を増加させるのか?東日本大震災の事例による実証分析」という論文を岡室先生との共同研究で発表しました。2020年の学部卒業後は、IT企業へ入社して、最初は通信事業でインフラエンジニアとしてネットワーク・トラブルシューティングを担当していました。ITについては多少知識がありましたが、入社してから本格的に学び、エンジニアをやりたいという希望がかなった形です。前職の企業はプロジェクトを数年でまとめるというスピード感だったので、インフラを最初から最後まで作る仕事ができたというのは、楽しかったですし、すごくいい経験でした。また、EC事業のマーケティング部に異動の際には、岡室ゼミで学んだ統計学の知識を生かして、データアナリストの仕事をしていました。そして、3年で一旦区切りをつけ、フルタイムのMBAで経営の知識を身に付けようと、2023年に母校の経営分析プログラムに入学しました。

生活の変化の中で将来を考えたとき、
一番の選択は一橋ビジネススクールで学ぶことだった

学部入試のときは塾に行かなかったため、勉強については高校の恩師が親身になって教えてくれました。公立高校ということもあったのですが、自分は社会のサポートや税金のおかげで勉強することができたのだなと感じています。そうした思いもあって、私は社会のためになるようなことをやっていきたいという考えを持ちました。学部生時代には、東日本大震災の復興支援ボランティアに取り組み、三陸沿岸の津波被害を受けた地域の小学生をはじめ、地元の方々との交流を深めました。三陸の同世代の若者は、自分はもうできることも少ないし、この街には何もないけれど、だからといって諦めるわけにはいかないと地に根を張って踏みとどまっている。そのように地元で起業して頑張っている人たちがいます。私も自身のためにも、社会のためにも、まずは自分の能力を高め、将来的にもキャリアアップしていきたいと思い、一橋ビジネススクールで経営学を学ぼうと決めました。

経営学は数字や統計で見えなかった人の顔が見える

img_detail25_02.jpg導入ワークショップ報告会(中央)

一橋のビジネススクールに入って、とても満足しています。私は経営学についてはまったく知りませんでしたので、それを学べていることが楽しいです。一番学びを実感するのは、働いていた時に会社の経営方針に対し疑問に感じていたものが、こういう言葉で、こういう概念なんだと分かっていくことです。また少人数制なので深い議論ができますし、共に学ぶ同期の仲間が皆優秀です。社会人、学部新卒、留学生と、それぞれ皆さんの得意分野があり、自分の知らないことばかりの毎日で新しい知識が得られます。戦略分析の授業では、実務家の方がいらして講義をしてくれます。話を伺っていて共通した印象として、経営学は数字や統計で見えなかった人の顔が見えるということです。私は学部の卒論で復興支援をテーマにしたころから、社会科学の中でも「人」に興味がありました。今取っている講義も経営組織論など人をテーマとしているものが多く、2年次は青島矢一教授(経営管理研究科)のワークショップに所属して「経営組織」について学んでいます。今後の目標については、MBAで財務・会計、マーケティング、経営戦略といった経営学を学んだ上で、自身の得意分野の数字、統計を生かし、データアナリストとしてキャリアアップをしたいと考えています。もしかしたら研究者への道もあるかも知れません。そして自身で成長しながらも、社会の役に立つということを目標にしていきたいと思います。

※関連記事(経営分析プログラム導入ワークショップの報告会

後輩へのメッセージ

フルタイムで学ぶMBAの2年間は仕事から離れてキャリアを中断しますし、それはかなり勇気がいる決断だと思います。その間、自分は働いていなくて、会社の同期が昇進していくのを見るのはもどかしい気がします。ですが、離れてみると自分のやっていた仕事や会社を客観的に見られるようになりますし、むしろそれがいいんじゃないかなと思います。MBAの同期で学ぶ仲間もさまざまな社会人経験がありますし、新卒から見る観点も違います。今までいた環境を外から見られたのはすごくいい経験で、そこから「自分は今後どういう人生を歩んでいくのか」と考える、MBAの2年間になると思います。ぜひ社会人の方にもチャレンジしてほしいです。

(2024年5月)