活躍するリーダーたち

秋山 優介さん
(ゴールドマン・サックス証券株式会社)

経営分析プログラム第15期生

「思考の拠りどころ」を求めてHUB-SBAへ

私は証券会社の株式アナリストとして働いています。担当する業界や企業の将来性を予測することで価値を生み出す仕事ですが、大学院進学前の私にはビジネスの巧拙を十分に見極めることも難しく、危機感を持っていました。経営学の理論の生まれた背景や適応可能性を考えることに主眼を置くHUB-SBAであれば、自分の思考の拠りどころを手に入れる訓練ができると思い、入学を決意しました。

在学中最も印象に残っているのは、MBA生の集大成ともいえるワークショップ(戦略論)です。個人的な問題意識に基づく研究を進めると共に、教授および同級生とのディスカッションを通じて考察を深めました。私の研究テーマは「勝つ企業がいかにして次の一手(戦略)を構想しているのか」というものでした。ある食品・飲料メーカーが国内コーヒー市場の厳しい競争環境を乗り越えて業績を拡大した事象に着目し、その要因を戦略的な視点から分析することが目的でした。

本質を突き詰めて考える習慣

同メーカーはインスタントコーヒーのパイオニアとして長年に渡って強い市場地位を確立してきました。ところが、近年はインスタントコーヒー市場の成熟化やカフェチェーン/コンビニコーヒーなど代替製品の台頭により徐々にシェアを低下させていました。このケースでは最終的に家庭用コーヒーマシンの市場投入が課題解決の契機となりました。消費者にとって一番身近な「家庭」に入り込み、淹れたてのコーヒーを提供したことがこの戦略の優れた点でした。しかしワークショップでは戦略の卓越性から一歩踏み込んで、「なぜそもそもマシンというアイデアを創造できたのか」という、言わば企業にとっての思考の出発点を分析することにより多くの時間を割きました。その結果、同メーカーが成熟した主力事業からの脱却ではなく、むしろ既存事業の再活性化により危機的状況を打開した点にこそ勝機があったと導くことが出来ました。


この結論に至るまで、教授や同級生からは有難くも厳しいフィードバックを受けることが何度もありました。しかしそのおかげで、成功や失敗の裏側にある本質を突き詰めて考える習慣を身に付ける経験ができ、社会に出た現在でも自分の自信に繋がっています。

(2020年2月15日)